小林商工会議所が事務局を務める県道1号みどりのトンネル推進協議会について説明します。
◆設立目的
小林市は、霧島屋久国立公園の北東部に接し、小林市からえびの高原に通ずる県道1号は、青島・霧島・桜島を結ぶ南九州観光のメインルートです。
県道1号線はかつて、四季を彩る樹木が生い茂り、えびの高原への観光道路として車窓から風景を楽しむ自然の景勝地として脚光を浴びましたが、周囲のスギが成長するにつれて、うっそうとした木々が道路を覆い変化の乏しい道路となり、活性を失った状況でした。
また、戦後植えられた沿道の杉林が大きく成長してせっかくの景観を遮へいし、国有林に覆われた暗いイメージの観光道路になってしまいました。
そこで、国有林野事業の経営方針が公益的機能発揮へと転換されたことにより、国有林の協力が得られることとなり、地元小林市の各界から「昔のように、見晴らしの良い観光道路に復活できないか」という声が強まり、国・県・市・商工会議所を中心に官民一体となった「県道1号みどりのトンネル推進協議会」が13団体の構成で平成13年1月12日に結成されました。
◆活動概要
「県道1号みどりのトンネル推進協議会」の事務局を小林商工会議所において、植樹対象者に募集条件を示し、広く募集活動を行い事業の展開を行ってきました。
小林市からえびの高原に通じる県道小林えびの高原牧園線沿道の国有林内の6kmにわたり、面積約7haに広葉樹の(山桜・かえで・けやき)を植栽し植樹を行ってきました。
事業資金はこの構成団体の一員となっている行政の予算に頼ることは無く、また、みどりの羽根募金などの助成金だけに頼ることもせずオーナー制度を取り入れました。(オーナー制度とは、植樹対象者を条件付で募集した制度です。)
募集条件としましては、植樹1本当たり(5~6年生の苗木・支柱一式・ネーミングの標柱を含み)12,000円を負担し、植えた樹木は国有林へ寄贈としています。
応募者の多くは、企業や団体の周年記念、個人の還暦・米寿・退職・出産記念や故郷の思い出として小林市の出身者からも多数の申し込みがありました。
オーナー制度を取り入れたことにより延べ123の個人・団体から701万円の募金・交付金及び、苗木現物180本が集まり総本数1,390本を植樹しました。
山桜・かえで・けやき、いずれの樹種も目通り10㎝程度の樹木で、シカの食害を避けるために、大苗(樹高2~4m)を選定して植えたことから被害もなく、下刈りや支柱等の補強を行なってきましたが、生育状況は良好であります。
緑化推進を図る上で官民一体となったこの活動は、県議会でも取り上げられ、県としても魅力ある県道1号線復活のため、平成15年度から3ヵ年計画で約6億円の予算を投じて、展望台・駐車場・チェーン装着場の設置・路面やガードレールの改修工事を行うこととなりました。
このような状況から、今後も国有林と地域が一体となった活動を行うことにより、この「みどりのトンネル構想」は必ずや成功し、県道1号ならではの、四季折々の風景が、ドライブをする観光客の目を楽しませ、観光浮揚に大いに役立つものと思われます。
◆林野庁長官賞
平成16年11月25日(木)に農林水産省 北別館8階 林野庁第5会議室にて、地域との連携等に関する研究(安全衛生・業務改善部門)の発表大会に、「県道1号みどりのトンネル推進協議会」が課題「広葉樹を植えてみどりのトンネルを作ろう」を発表し、最優秀賞の林野庁長官賞を受賞しました。
◆育樹区間
小林市からえびの高原に通じる県道小林えびの高原牧園線沿道の国有林内の6km区間
◆活動内容
県道1号みどりのトンネル推進協議会では、毎年、県道1号線にて「育樹祭」を開催しております。
観光幹線道路として再生を図るとともに沿道の美化と緑化思想の普及推進を図ることを目的に毎年行っているものです。
活動の様子はSNSにてご覧いただけます。
>県道1号みどりのトンネル活動内容はコチラ
◆お問い合わせ
参加申込やその他、なにかご不明な点がございましたら電話にてお問い合せください。
県道1号みどりのトンネル推進協議会事務局 小林商工会議所 ☎0984-23-4121